オーストリアの巨匠ピアニスト、イョルク・デームス氏は今なお多彩な音楽活動を続けており、世界中で称賛を浴びていますが、その偉大な名を冠し、ここにその後援のもと第1回国際イョルク・デームス芸術祭が、2017年ドイツのフライブルク/ブライスガウにおいて開催されます。デームス自身が望み、意図しているのは、地元フライブルク市民のみならず世界各地から芸術家たちを招待し、この彼の芸術祭に於いてともに活動して、近く或いは遠くから集まる音楽愛好家たちに、偉大な作曲家たちの作品をまさに体験させることです。
また、デームスのさらなる関心事は、偉大な作曲家たちの音楽を、彼らの時代の楽器で演奏することにあります。歴史的楽器の構造をその目で見、その響きで演奏された作品は我々の耳にとって新しいものとなり、しばしば新たな理解を促すこととなるでしょう。バルトロメオ・クリストフォリによるハンマーフリューゲルの誕生は18世紀前半のことであり、今日のピアノもその原理を基礎としていますが、当時はじめて「強弱」を用いた演奏法が可能となったことで、音楽の表現の領域において、まったく新たな次元を開いたのです。
イョルク・デームスは、数多くのレコード、またCD録音において、こうした歴史的楽器を演奏してきましたが、彼自身もまた18.19そして20世紀に世界中で造られた、多くの種類の楽器のすばらしいコレクションを所蔵しています。彼が重きをおく「真正なる響き」もまた、このイョルク・デームス芸術祭において重要な側面であり、歴史的楽器による演奏会もまた、開催される予定となっています。
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